僕の毎日　バンコク編

平日の朝の話である。

最近は明け方頃に雨が降るようになってきた。
本日も、タイミング悪く出勤時まで小雨が降っており

基本的に傘を持たない僕としては、会社まで無事たどり着けるかどうかの
不安な面持ちの中での通勤となった。

アパートの最寄のBTSの駅に通じる歩道橋の階段に
天気の良い日は必ずといって良いほど、お金を乞うお婆さんが座っている。

朝は早い時間から座っており、恐らくサラリーマンやOLの通勤時間帯の間は
座り続けているのであろう。

日差しが強くなってくる10時頃には、いないようである。

本日は、いくら小雨とはいえ雨が降っている。
まさか今日はいないだろうと思いつつ、階段に近付くと…

場所は、雨を避けるため階段に隣接して立っている木の下辺りに移動していたが
いつものように座っていた。

僕は、物乞いにはお金を恵んだことがほとんどない。
恵んだことは数回で、本当に気の毒に思った時だ。

実は、このお婆さんには一度も恵んだことがなく、いつも目を伏せて
係わり合いにならないようにしていたが

さすがに今回は、正直驚いておばさんの顔をまじまじと見てしまった…　

その時に、お婆さんと目が合ってしまい
お婆さんのほうが目を伏せてしまった。

僕は無意識のうちに、Yシャツのポケットから
さきほどバイクタクシーを降りた時に受け取ったおつりの５B硬貨を取り出して
お婆さんの持っている、プラスチックの容器に入れてあげた。



そうして、この日の今日一日は始まった…